あらためて、「よくもまぁ〜」と、じっくり此処まで滑って来たコースを目で振り返る。よくぞ此処まで来たもんだ。
空沢山〜放山山頂
此処からは何度となく来ているコース、空沢山から東側に約100メートル下がった処に、「マルサン・ダケカンバ」の大木。
一ヶ月ぶりの再会だ。「ハロ〜!」この付近は楽しみながら滑れるいつものコース。ウシシシ・・・・・
痛い足を気にしながらの余裕のある滑降だ。あちこち自由に滑り、徐々に放山方向に進む。
この火打シャルマン・ロードの最も低い標高約1000メートルの尾根まで滑り降り、ここから放山に向かっての、かなり厳しい登りが約1キロメートルも続く。尾根を登り始めて数百メートル、尾根の雪が突然無くなったのだ。
この付近は尾根のブッシュが深すぎて、スキーをせおって藪の中を進むことは無理だ、標高1000メートル付近から1500メートル付近は特にブッシュがひどい。赤ツル、笹だけ、左右に曲がった木々などが行く先を阻む。
しかたがないので雪渓の上を進むしかない、しかしそこには深い亀裂、大変危険だが、渡るしかないのだ。
スキーを脱いで、亀裂の中を恐る恐る渡る。「南無阿弥陀仏・・・」やっとの思いで無事通過。
此処からは放山山頂まで、ほとんど登りだが、スキーを背負いながらの、このコースは本当に厳しい。
「小生もそろそろ限界かな?しかし標高2400メートルと1200メートルとでは同じ程度の急斜面でも、かなり違うのかなぁ〜。火打山頂付近よりは、まだましか。」と勝手に思いながら、よたよたと進行。
放山まで300メートル、あとわずかだ。
だが、しかし・・・目の前の急斜面の尾根には雪が全く無いのだ!しかたがないので、深いブッシュを避け、雪の有りそうな、糸魚川側の山麓を迂回し、雪の上を放山山頂へ向かう、最後の力を振り絞って、一歩一歩喘ぎながら、夢遊病者のように、とぼとぼと登る。17時、ついに放山山頂に到着。またもや「万歳!!!!」。
あとはシャルマン山頂まではスキーで滑り降りるのみだ。
ほっとしながら小休止、火打山を振り返り、しみじみ眺め、またもや「よくぞ此処まで来たもんだ」と「合掌」。
火打山頂からツインピーク、仏石、空沢山、放山へと滑って来たコースを、目で辿り、大変に厳しかったことを思い出しながら我・感動。
放山〜シャルマン山頂
さぁ、シャルマンまでの最後の滑り、普段は楽しんで滑るコースなのに今日は違う、やっと滑っている状況だ。 へとへとになりながらやっとの思いで、シャルマン山頂に到着。17時10分。ついに火打シャルマン・ロードを走破したのだ。 朝の4時40分から17時10分迄の、「12時間30分」、ほとんど歩きっぱなしだった。本当に心底つかれたョ。
シャルマン・スキー場着
あとはシャルマンのゲレンデを滑り降りるだけだ。シャルマン・スキー場は、例年5月5日までの営業だが、今年は雪が少ない為、今日29日で終了。この時間帯、誰も居ないスキー場をヨタヨタしながら、ゆっくりゆっくり、ただ一人で滑り降りる。今年最後のスキーヤーかな。そのときスキー場のセンターハウスから、
青田さんの「マルさーん」の声。見ると青田さん、伊藤さん、林さんご夫妻、手を振っての歓迎。
ほっとしながら無事生還。青田さんは、全て足で歩いて、しかも1時間以上も前に到着したとのこと、彼は怪物か?もしかしたら、小生も怪物の子分だったのかも。青田さん本当に有難うございました。
〔後 記〕
今回は、笹ヶ峰を朝早く出発し、夕方までにシャルマン・スキー場山頂に到着という無茶な日程であったが、出来れば前の日に高谷地ヒュッテに宿泊し、翌日ヒュッテを出発し、火打山頂〜ツインピーク〜空沢山〜放山〜シャルマン山頂到着(約6〜7時間)。
その夜は、能生町の棚口温泉にて宿泊されるコースが最良と思われます。
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